所沢駅から徒歩1分の矯正専門医院 VAN矯正歯科

VAN矯正歯科

〒359-1123
埼玉県所沢市日吉町4-1 髙田ビル2F

04-2935-7711

診療時間
10:00-13:00 -
15:00-19:00(月・土・日は18:00) -

休診日:毎週木曜日、第2水曜日、祝祭日
◯:日曜日と月曜日は隔週で休診日
(第1・3・5日曜日、第2・4月曜日)

裏側矯正装置ブラーバって?

今回は当院で使用している裏側矯正装置ブラーバ(Brava)の特徴についてご説明します。 ブラーバはアメリカで2020年頃から使用開始した装置であり、2025年10月現在においても、国内で導入しているクリニックは限られています。 特徴や他の装置との違い、利点・欠点などブラーバについてもっと知って頂ければと思います。 🦷ブラーバの仕組みと特徴 ブラーバは、従来のワイヤーやマウスピースを使わずに歯を動かす、新しい裏側矯正システムです。各歯に個別設計された小さなアームと支点を用い、歯にかかる力を精密にコントロールします。これにより、見た目を気にせず自然に歯を整えられるのが特徴です。ワイヤーで歯を連結しないため、フロスや歯ブラシを通しやすく、口腔衛生管理がしやすい点も利点とされています。また、従来の舌側矯正に比べて厚みが少なく、違和感や発音障害が軽減されるケースもあります。短期間で効果が現れることもありますが、適応には限界があり、重度の叢生(ガタガタ)や骨格的な不正咬合では適用が難しい場合もあります。治療を希望する際は、他の装置との比較検討も必要になります。 従来の表側矯正・裏側矯正におけるワイヤー矯正は、症例にもよりますが大きく分けて以下のステップで治療をします。 レベリング(デコボコの治療) リトラクト(抜歯後の隙間やデコボコをほぐしてできた隙間を閉じる) ディテーリング(全体的な咬み合わせの微調整) ブラーバは上記の3ステップを1ステップにしてワイヤーに組み込んで歯の移動を行うため、従来の装置より比較的短期間での治療が可能です。 『インディペンデント・ムーバー・テクノロジー』という技術で1本1本の歯に移動様式を加え、同時に歯を動かしていきます。全顎的な固定源(アンカレッジユニット)を必要とせず、各歯が「自己アンカレッジ」的に動く仕組みです。また、必要に応じて一部の歯を「スタビライザー」として一時的に固定源に設定することも可能です。 つまり、ワイヤー矯正で必須になりつつある、矯正用アンカースクリュー(ネジ)の併用を治療計画によっては使用せずに治療を進めていくことも可能です。 ※過蓋咬合や開咬、ガミースマイルの患者さんには、アンカースクリューの併用を提案することがございます。 🌿メリット・デメリット メリット 審美性が良い(見えにくい) 他の装置に比べて早い 抜歯治療など複雑な治療も対応可能 ワイヤー交換の少なさ(上下とも1~2本で治療します) マウスピースと異なり、装置は入れっぱなしで歯が動きます デメリット 一時的な滑舌の悪さ(約1~2週間程度) 歯ブラシの難易度 費用が高価(表側矯正と比較して) 現時点で、日本では症例数や対応可能な歯科クリニックが少ない 同じ治療計画を作成した時のブラーバとマウスピースの比較表 🪄治療の流れと治療期間 当院の検査はブラーバを使用する場合でも、追加の検査内容はありません。検査内容は以下になります。 検査後、資料をブラーバ専用ラボに送信し、専用ラボから送られてきた治療計画を基に、歯の動きを3Dシミュレーションし、患者さんごとにカスタムアームを製作します。 治療計画作成後、約2~3週間くらいで装置が届きますので、届き次第ブラケット、ワイヤーを装着します。 装着後は、1〜2か月ごとの通院で経過をチェックします。ブラーバは基本的にワイヤー調整を必要としないため、他の矯正法より通院回数が少なく済むのが特徴です。 全体の治療期間は症例によりますが、抜歯矯正においても最短で9か月~約1年半程度が一般的とされています。 治療完了後は他の装置同様、保定装置(リテーナー)を装着して歯の後戻りを防ぐ「保定期間」が約3年かかります。 💰費用・支払い ブラーバの費用は装置代、調整料などを含めて1,155,000円になります。 小臼歯抜歯が必要な場合、1本につき8,800円になります。 例)治療計画に基づいて、小臼歯抜歯が4本必要な場合 ブラーバ(1,155,000円) + 上下左右小臼歯抜歯計4本(8,800円×4) = 1,190,200円 が治療費総額になります。 📸治療経過写真 当院で裏側矯正治療しているスタッフの経過写真をご参考にしてください。 上下左右小臼歯を1本ずつ計4本抜歯して現在も治療中です。「歯を抜いた隙間が閉じた量」、「前歯の移動量」、「正面から見た前歯の位置」に注目して見てもらえると、歯の移動の早さが目に見えて分かるかと思います。 初回装着時 正面 上顎 (青い材料は下の歯が上の装置にぶつからないよう、咬み合わせを一時的に上げる材料です) 下顎   約4か月後 正面 (ゴムかけをして奥歯の咬み合わせや出っ歯の治療をするため、何か所かボタンが付いています) 上顎 下顎 ※ブラーバのみで治療ゴール達成が困難な場合、表側に一時的に装置を追加することもあります。 ※写真のように一時的に咬み合わせを上げたり、ゴムかけなどを併用する治療計画の場合、一時的に使用しますが追加料金はかかりません。 💬まとめ 最新の裏側矯正装置ブラーバ、いかがでしたか? 見た目に優れており、治療期間も比較的早いのであれば、ブラーバを選択するメリットは非常に大きいと思います。 今回説明した内容以外にも不安な点や、相談したい点などあれば、一度当院の「無料カウンセリング相談」から相談のご予約を取っていただくか、「公式LINE」にてご質問していただいても構いません。 当院スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.10.10

治療費の料金設定・解説

VAN矯正歯科院長の飯塚です。当院にご相談にいらっしゃる方で「治療費が不安」とお考えの方が多く、当院にいらっしゃるまでの間や相談後の検討など少しでもお役に立てればと思い、ブログ形式で当院の治療費の料金設定や解説をすることを考えました。この記事で解説する内容は、あくまで当院における料金設定や考え方であり、こういった治療費の細かい内訳や解説は矯正歯科業界でも一歩踏み込んだ内容になるかと思います。 厚生労働省の医療広告ガイドラインにおいて、ホームページ上での「他院との比較」や「地域最安値」など患者さんに誤解を与えるような印象操作は禁止されているため、あくまで当院の解説とさせていただきます。他院においては異なる設定や料金体系を採用していることを念頭において「参考程度」として記事をご覧いただければ幸いです。 長文になりますが、当院での料金体系をできるだけ分かりやすく解説していきます。 ※料金表ページ(https://www.van-ortho-clinic.com/price.html)を軸に記事を作成しております。   治療費が一定ではない理由とは? 矯正治療の費用は医院によって差があります。その理由の一つが「自由診療」と「保険診療」の違いです。矯正治療の多くは自由診療に分類され、医院が独自に料金を設定できます。ある程度相場に合った料金体系になりますが、自由診療では、使用する装置の種類、技術的難易度、治療期間、メンテナンス体制などにより費用を決定しているため、医院によって様々になります。 当院における治療費総額の内訳 装置代…約70% 調整代…約20% 口腔衛生管理代&保定装置代を含む保定管理代…約10% 装置代解説 子供(第1期)の場合: ブラケット装置、固定式装置(拡大装置など)、可撤式装置(付け外し式)など患者さんに使用する装置全ての料金です。治療に応じて必要な装置数が増えたとしても料金に変動はありません。 大人(第2期)の場合: 表側矯正装置は2種類とも上下左右全ての歯に装着するブラケット、バンド装置の料金になります。裏側矯正装置やマウスピース矯正装置は材料費の原価差額分を表側矯正装置(クリアティウルトラ)の治療費に上乗せしているため、使用する装置によって料金の差があります。装置それぞれの解説は下の項目でしていきます。 装置に関する以下の記事も参考までにどうぞ。 ※ブログ:当院での装置の種類について(https://www.van-ortho-clinic.com/blog/当院での装置の種類について/)   調整代解説 調整代の内訳は、装置装着に使用する接着剤、ワイヤー代、ワイヤーやブラケットに着けるフックなどの材料費や歯科医師の技術料が含まれています。1回の調整料(5,500円)を治療期間を基に決めた調整回数を乗算した料金になっております。また、装置の脱離やワイヤーの長さ調整など急患対応時に使用する材料代も全て含まれております。   当院では非抜歯、抜歯治療においても平均的な治療期間が約1年半~2年半となっており、間を取って2年分(24ヶ月) × 5,500円 = 132,000円が調整料分として総額に含まれています。裏側矯正やマウスピース矯正は装置の入れ始め以外は主に通院間隔が2か月に1回で済みますので、入れ始めの1回分+上記の半分合わせて71,500円が調整料となりますが、裏側およびマウスピースは装置単独で治療ゴールまでたどり着かない方がおり、リカバリー策として表側に装置を足す場合もあります。その際の装置代や材料代は132,000円の差額である60,500円の中で賄いますので、基本的に装置が追加になっても追加費用はいただきません。 上記で設定している治療期間1年半よりも早く終わる見込みのある方は、治療費総額を安く提示します。逆に治療期間2年半以上かかるような難易度の高い方の治療費総額を値上げすることはありません。以下に2つの例を提示します。 ※使用する装置により調整料に差が出る場合、装置の種類に応じて再計算します。   口腔衛生管理代&保定装置代を含む保定管理代解説 ・装置装着前のクリーニング ・装着中の歯磨き指導 ・MFT(筋機能療法) ・保定装置(当院では3種類作製します) ・保定中の後戻りチェック ・虫歯や歯周病チェック ・経過観察料 が含まれています。また、虫歯になった際の依頼状作成や、他院への報告書作成料などのフォローアップ代も含まれています。   治療方針については以下のブログにも記載してありますので、参考までにどうぞ。 ※ブログ:抜歯?非抜歯?治療方法選択の基準は?(https://www.van-ortho-clinic.com/blog/抜歯?非抜歯?治療方法選択の基準は?/) ※ブログ:部分矯正のデメリットとは?(https://www.van-ortho-clinic.com/blog/部分矯正のデメリットとは?/)   …そもそも、なぜ矯正治療は保険適応にならないことが多いの? 矯正治療において保険診療が適応になるには厚生労働省が指定した疾患に該当する場合に限られます。顎変形症や口唇口蓋裂など特定の疾患に基づく矯正治療では健康保険が適用される場合があります。この場合、全国一律の診療報酬に従った費用負担となります。   トータルフィー制とは?医療費控除って何? 当院では上記で記載したような内訳で「トータルフィー制(総額制)」を導入しています。これは、治療開始時にお伝えした総額に、基本的な通院費や調整料、保定装置代などが含まれる明朗な料金体系です。 当院がトータルフィー制を採用している理由として、 調整料を治療後に毎回支払う時間を短縮できる(急いでいる患者さんにも受付業務にもメリットがある) 都度払いと比較して総額が分かるため、見積もりが立てやすい 治療難易度が高く、治療期間延長を与儀なくされたとしても追加費用がかからないので、患者さんの経済的負担を減らせる お子さんの矯正治療の場合、調整料を持たせず通院できるため保護者の方の安心感につながる 医療費控除の還付額を増やしやすくなる(一括払いでの場合) トータルフィー制の大きなメリットの一つである医療費控除についてですが、 例えば、治療費総額が100万円だとします。医療費控除では年間で支払った医療費から10万円(もしくは所得の5%)を差し引いた金額が控除対象になります。つまり100万円を支払った場合、90万円が控除対象となり、所得税率が20%の方であれば約18万円の還付を受けられることになります。このように、トータルフィー制は患者さまにとっても経済的な利点があります。 詳しくは、医療費控除に関するページ(https://koujo.medicaldoc.jp/van-ortho-clinic/)をご覧ください。   検査・診断料の解説 当院の検査内容 当院の検査・診断料(55,000円)は、以下の内容全てが該当します。 治療開始前の初期検査 治療経過確認や治療計画変更用の検査 治療終了後の検査 保定期間中の定期検査 第1期治療における乳歯列期から混合歯列期の治療移行による検査 第1期から第2期への治療移行による検査 始めの検査代をお支払い頂いた後の検査代の追加費用が発生することはありません。治療が適切に進んでいるか、治療方針を変える必要があるか、治療の進行具合から治療後の後戻り確認まで全てにおいて検査は欠かせないため、適切なタイミングで検査を提案いたしますが、安心して検査を受けていただけるよう配慮しております。 また、検査後の診断(治療計画や治療期間など)を含む費用となっており、こちらも追加の検査を行った際の再診断料も全て含まれております。 再診断の内容は、装置の破損や変更が必要になり予定外の治療計画の変更や、治療途中でも計画通りに進んでいるかどうかの経過の確認が含まれます。   第1期治療費解説 上記の装置代解説でも述べたように、第1期治療において当院で使用する装置は何種類使用しても治療費総額は一律です。来院のタイミング、治療開始年齢によって以下のステップに分かれます。 治療開始時期のステップ 1. 乳歯列期(220,000円) 主に5~8歳前後の治療になります。この時期の目標として「舌や唇の筋肉の正しい使い方を覚えること」、「装置をお口の中に入れることに慣れること」がメインになってきます。基本的に混合歯列期に移行しますが、その際は差額の275,000円で治療継続ができます。 2. 混合歯列期(495,000円) 歯の萌出状況になりますが、6~9歳前後の治療になります。第2期治療が必要になった場合は、使用する装置に応じて第1期治療費(495,000円)を差し引いた額で治療が可能になります。ただし、当院で第1期治療を受けた方が対象になります。 3. 混合歯列~永久歯列期 主に10~12歳前後になりますが、この時期は治療開始のタイミングが難しく、①第1期治療から開始、②第2期治療から開始、③第2期治療開始になるまで経過観察、など歯の萌出状況により治療内容が変動します。 ①の場合は495,000円、②の場合は第2期治療で使用する装置代に準じた料金、③の場合は永久歯萌出までの経過観察中は無償で対応し、第2期治療開始時期が来てから検査を行い、第2期治療で使用する装置代に準じた料金がかかります。無償期間中は、MFT(筋機能療法)を中心に装置装着までの間に舌や唇の筋肉のコントロールをしていきます。   以下のページも参考までにどうぞ。 ※子どもの矯正ページ(https://www.van-ortho-clinic.com/treatment/kids.html) ※ブログ:子どもの矯正、始めるならいつ?(https://www.van-ortho-clinic.com/blog/子どもの矯正、始めるならいつ?/)   表側矯正装置の治療費解説 当院の表側矯正装置は2種類あります。2種類ともセルフライゲーションブラケットという従来のブラケットと比較して「歯の痛み軽減」、「歯の移動促進」が期待できると一般的に報告されているため、従来のブラケットより高価なものを採用しております。 1. エンパワー2ブラケット(990,000円) ※写真上の色付きシールは装置装着後なくなります。 ブラケットのシャッター部分に金属を含みますが、以下のクリアティブラケットと比較しても治療期間や歯の動きに差はありません。 2. クリアティウルトラブラケット(1,067,000円) エンパワー2ブラケットと比較して審美性が高く、ホワイトワイヤーと組み合わせることで表側矯正中でも目立ちにくさを増すことができます。   以下のページも参考までにどうぞ。 ※表側矯正について(https://www.van-ortho-clinic.com/treatment/wire.html)   裏側矯正装置の治療費解説 当院で使用している裏側矯正装置はブラーバという装置になります。オーダーメイドでワイヤーおよびブラケットを作成してもらい、海外から取り寄せるため表側矯正装置に比べてコストがかかります。 ブラーバ(1,155,000円) 日本ではまだ取り扱いの少ない装置ですが、非抜歯治療の方でワイヤーを上下1本ずつ、抜歯治療の方で上下2本ずつ使用します。ワイヤー1~2本の中に治療計画で作成した歯の動きを組み込んでいるため、歯の移動が比較的スムーズに進みやすい設計上、一般的に治療期間の短縮が期待できます。   以下のページも参考までにどうぞ。 ※裏側矯正について(https://www.van-ortho-clinic.com/treatment/uragawa.html)   マウスピース矯正装置の治療費解説 当院で使用しているマウスピース矯正は裏側矯正装置同様、オーダーメイドで作成したものを海外から取り寄せているため、コストがかかります。 エンジェルアライナー(1,155,000円) 当院は部分矯正ではなく全顎矯正を対象としたマウスピース矯正のみ行っております。枚数制限がなく、装置を全て使用しても治療計画通りに進まなかった場合でも保障があります。これは当院の治療計画に沿って、患者さんと医師が相談しながら目標に近づけることを重視した料金体系です。ただ、抜歯治療は難易度が上がるため、当院では非抜歯治療のみ対象とさせていただいております。 以下のページも参考までにどうぞ。 ※マウスピース矯正について(https://www.van-ortho-clinic.com/treatment/mouthpiece.html)   併用装置・任意選択治療費解説 第2期治療が対象になりますが、患者さんに応じて必要な装置をピックアップしてメインの装置とは別に併用することがあります。基本的に初めの治療計画作成時にピックアップし、必要なものを治療費総額の中に加えていきます。 併用装置 MSE(成人の骨格性拡大装置)…121,000円 PLAS(遠心移動用ネジ併用ワイヤー)…66,000円 アンカースクリュー…1本につき22,000円 上記の装置は基本的に破損や脱離があったとしても、追加費用はかかりません。ただし、やむを得ず治療計画を変更した場合は併用装置の追加を提案させて頂くことがございます。   任意選択治療 小臼歯抜歯…1本8,800円 乳歯抜歯(第2期治療のみ)…1本3,300円 ホワイトワイヤー(表側矯正装置のみ)…何本使用しても55,000円 QCMリテーナー(審美保定装置)…片顎33,000円 保定期間中のクリーニング…1回3,300円 小臼歯や残存乳歯の抜歯が必要な方は、必要な本数分の費用がかかります。いずれも当院で抜歯可能です。 ホワイトワイヤーは表側矯正装置を選択した方が対象になりますが、何本交換しても治療費は一律55,000円になります。第1期治療の方も何本交換しても33,000円でホワイトワイヤーが適応になります。 QCMリテーナーはベッグ&ホーレーリテーナーのワイヤーを目立ちにくい素材に変更できます。 保定期間中のクリーニング代が任意選択になっているのは…かかりつけの歯科医院でクリーニングをしてもらう方が保険適応になることが多く患者さんの負担が少ないからです!当院では自費診療のみになりますので、1回あたり3,300円かかる内容になってしまいます…。ただし、かかりつけ医がいなかったり、保定装置の確認と一緒にクリーニングしてほしい!など、患者さんによって要望は様々だと思いますので、必要に応じて対応は可能です。   保定装置の解説 矯正治療で動かした歯は、そのままでは元に戻ろうとする性質があります。そのため「保定装置(リテーナー)」を使用し、歯並びを安定させる必要があります。当院では、この保定装置も治療費の総額に含まれておりますので、別途料金は発生しません。 当院で使用する保定装置 1. Fixリテーナー 上下の前歯の裏側に固定する保定装置です。付け外し式の保定装置は使用時間が足りていなかったり、装置が破損して使用できない時間が増えると後戻りのリスクが格段に上がるため、あくまで付け外し式が使用できなかった場合の保険として装着します(付け外し式保定装置の使用は必須になります!) 2.クリアリテーナー 目立ちにくいタイプの付け外し式保定装置です。日中使用して頂きますが、着色しやすかったり、破損しやすいなどの欠点もあります。 3.ベッグ&ホーレーリテーナー 上顎はベッグタイプ、下顎はホーレータイプの付け外し式保定装置を使用します。ワイヤーが入っているため目立ちやすいので主に夜間を含む自宅での使用がメインになります。クリアリテーナーより破損しにくく頑丈なため、後戻りしにくいのが特徴です。 煩わしいと思いますが、3種類の保定装置を使っていく理由としては、「高額な治療費を支払って、治療を頑張った成果を無駄にせず維持してほしい」という考えだからです。この考えは当院のスタッフ全員の考えでもあります。 平均的な保定期間は2年前後ですが、当院は3年間責任をもって診させていただきます。もちろん3年分の保定管理代は全て治療費総額に含まれていますので追加料金はかかりません。1年多く診たとしても約半年毎の来院で約2回分になりますので、後戻りの早期発見や経過観察にご協力ください。 治療が終わって解放された気持ちになる保定期間中が一番気を抜けない時期かと思い、3種類の保定装置を使用して3年間保定期間を設定しました。スタッフ全員と話し合い妥協したくない気持ちから決めたことであり、繰り返しになりますが矯正治療を頑張ったのに後戻りしてしまうことは何としても避けたいと考えています。   部分矯正は? 当院には部分矯正のプランはございません。詳しくは以下のブログを参考にして頂ければと思います。 ※ブログ:部分矯正のデメリットとは?(https://www.van-ortho-clinic.com/blog/部分矯正のデメリットとは?/)   転院・再治療の相談が有料なのはなぜ? 転院の患者さん、再治療希望の患者さん共に当院では相談料が22,000円かかります。 理由としては、なるべくもともと診てもらっている医院で継続してほしいことが1つ目の理由です。 治療計画を実際に立て、治療開始からずっと診ていて治療の経過を一番良く知っている先生に継続して診てもらうことがベストだと考えているからです。 2つ目の理由は、治療の難易度が格段に上がるからです。 転院をする場合、使用している装置が転院前と後で全く違うものになると、全て装置を付け直しする必要性もあります。これは、治療方法が担当医によって様々であり、転院前の装置では対応できない可能性が高いからです。その際は、患者さんもご了承の上で追加で装置代を頂くことになります。 再治療の場合でも、すでに歯を移動し終わって後戻りの治療になることがほとんどになると思いますが、どのような治療計画で、歯の移動にどのような力を加えてきたかを完全に把握するのは困難なため、再治療の際に歯に負担がかかることで起こる歯根吸収や、歯周組織に影響が出ることで歯間部に三角形の空洞ができるブラックトライアングルが発現したりと、歯の寿命に影響が出る可能性が高いため、口腔内の状況によっては再治療をお断りすることもあります。 ただ、転院や再治療を他院で希望する患者さんには「転居のため通えなくなった…」、「閉院してしまって継続して通えない…」など、様々な環境要因があるかと思いますので、上記のことを踏まえて転院や再治療をお考えの方は慎重に検討していただければと思います。   終わりに 矯正治療は時間も費用もかかる大きな選択です。医院によって料金体系やシステムが異なるため、 ・医院の雰囲気 ・担当医との相性 ・費用面 ・治療期間~保定期間までを含めて生活面にどう影響するか などを、しっかり検討していただく必要があります。 当院の料金設定もなるべく患者さんが通いやすいよう抑えていますが、破損しやすい装置や原価が高すぎる材料などは避けて、その中でもより良いものを患者さんに提供できるよう選択した結果の治療費となっています。安ければ安いほど患者さんの負担は減り安心につながると思いますが、コストを抑えすぎて医院の経営が成り立たないようであれば、治療の継続ができず転院してもらう手間が増えたり、納得いくゴールまで治療を進められなかったりと、逆に不安にさせてしまう要因になります…。 正直、「この医院は無くなりませんよね…?」と相談に来られた方に何度か言われたことがあります。私の考えとしては、このVAN矯正歯科で残りの歯科医師人生を全て費やして働いていくつもりですので、移転したり、こちらから廃院にしたりという考えはこの先も全く考えていません。なので、上記で記したように患者さんにとって最も良いものを選択しますが、コストを抑えすぎずバランス良く経営し、患者さん側と医院側がお互い納得のいく形で矯正治療を提供できればと考えています。 もともと、文章で考えを伝えることが苦手で…この記事を読んでくださった方にうまく伝わっているか分かりませんが、矯正治療を開始するにあたって不明な点や不安な点がありましたら、「無料カウンセリング予約」からご予約を取って頂き、一度ご相談していただいても構いません。通院されていない方でも相談に一度来られた方でも気軽に当院のLINEでご相談していただければと思います。 最後にもう一度書かせてもらいますが、あくまで当院の考えであり、他院との比較や当院が優れているなどそういった意味はこの記事に全く込めていないことをご理解いただいたうえで、「参考程度」に留めておいてください。   最後までご覧いただき、貴重なお時間を割いてくださいましたこと、誠にありがとうございます。今後ともVAN矯正歯科をよろしくお願いいたします。

2025.09.24

抜歯?非抜歯?治療方法選択の基準は?

  矯正治療を考え始めると、多くの患者様が気になるのが「歯を抜く必要があるのかどうか」だと思います。 「できれば歯を抜きたくない」と感じる方も多いと思いますが、実は抜歯矯正・非抜歯矯正のどちらにもメリットとデメリットがあり、 患者様の歯並びや骨格によって最適な治療法は異なります。今回はその違いについてご説明します。 抜歯矯正とは? 抜歯矯正とは、矯正治療のために小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を抜いてスペースを作り、歯並びやかみ合わせを整える方法です。犬歯は見た目に影響し、大臼歯は物を食べる時に影響するため基本的に抜歯しませんが、虫歯が進行していたり神経をすでに取っていて寿命が短い歯など治療状況によっては抜歯する可能性があります。 主な治療方法 小臼歯抜歯(上顎 or 上下顎) アンカースクリュー併用による治療 エラスティックゴム(顎間ゴム)   抜歯矯正治療適応例 出っ歯を改善したい場合 歯の大きさに対して顎が小さい場合(デコボコの改善) 口元の突出感を改善したい場合(口ゴボの改善) 非抜歯矯正とは? 非抜歯矯正とは、歯を抜かずに矯正を行う方法です。主に以下の方法でスペースを確保します。 主な治療方法 IPR(歯の側面をわずかに削って隙間をつくること) 歯列弓拡大(骨格性 or 歯槽性) 遠心移動(奥歯を後方に動かすこと)   非抜歯矯正治療適応例 顎の大きさと歯の大きさのバランスが比較的良い場合 軽度から中等度の歯のデコボコ 口元の突出が強くない、もしくは抜歯すると口元が下がりすぎてしまう場合 メリットとデメリット 抜歯矯正 メリット 十分なスペースを確保でき、仕上がりが安定しやすい 横顔のバランスが整い、口元が引き締まる デメリット 抜歯に対する心理的な抵抗や、抜歯後の一時的な違和感がある 抜歯すると後戻りできないため、治療途中で「やっぱり非抜歯がいい」となった時に治療計画変更が困難 治療期間が長くなる(隙間を閉じる過程が延びる) 非抜歯矯正 メリット 治療へのハードルが低く、始めやすい 歯を抜かずに治療を進めて、抜歯が必要になった場合も臨機応変に対応できる デメリット 無理に非抜歯で治療すると口元が前に出てしまう可能性がある 仕上がりや安定性に限界がある場合もあり、治療後の後戻りに影響が出ることがある 抜歯 or 非抜歯治療のシミュレーション 当院では、成人の患者様全員にデジタルセットアップを作成しております。 デジタルセットアップとは、現在の歯並びから治療後の歯列や口元を予想してシミュレーション計画を立てることです。これにより、治療ゴールを明確にできるので無理の無い治療を提案することができます。 ※あくまでシミュレーションですので、全く同じ結果にならないことが多いですが、治療終了のイメージの参考になるよう提示します。 シミュレーション計画を立てる際に無理なく治療する基準 抜歯治療の場合 口元が下がりすぎていないか(E-lineから離れすぎていないか) 前歯を下げた時に他の組織にぶつからないか(歯根が吸収されるリスクがないか) アンカースクリューなど他の装置を併用して治療ゴールまで改善できるか 非抜歯治療の場合 歯が顎の骨の中にちゃんと納まっているか(歯根が骨から出ないか) 顎を拡大する治療の場合、拡大してもデコボコは改善するか(デコボコの量が多すぎるのに非抜歯を選択していないか) 前歯の真ん中が合っているか(歯の大きさのバランスが問題ないか)   他にも患者様のお口の中の状態によって、考える内容は異なってきます。基本的に検査後の資料(レントゲン、写真、口腔内スキャン)を用いて、無理のない治療計画を立てていきますが、抜歯治療でも非抜歯治療でも治療のゴールに差がない場合は患者様に納得のいく治療ゴールを選択していただきます。 まとめ 抜歯矯正と非抜歯矯正には、それぞれにメリットとデメリットがあります。「抜歯=悪い」「非抜歯=良い」と単純に決められるものではなく、患者様一人ひとりの骨格や歯の大きさ、横顔のバランスを総合的に判断して最適な治療法を選ぶことが大切です。 当院では、精密な検査とシミュレーションを行い、できる限り患者様のご希望に沿いながら、長期的に安定した咬み合わせと美しい笑顔を実現できる治療法をご提案しています。 上記の内容を踏まえて、矯正治療に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。 また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に一度質問していただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。 当院スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.09.13

10月からホームホワイトニング始めます

2025年10月3日よりホームホワイトニングを開始します。 当院で取り扱うホワイトニングは「DENNOVATE ホワイトニングジェルパック」です。 「ホワイトニングジェルパックとはどういうものなのか?」を以下に解説しますので、興味のある方はぜひご覧ください。   ホワイトニングジェルパックって? DENNOVATEのホワイトニングジェルパックは、歯科医師が処方するシート状の在宅用ホワイトニングシートです。 口腔内温度で柔らかくなり歯面に密着、唾液で薬剤が薄まりにくい構造で、液漏れを抑えつつ薬剤濃度を保って作用します。 常温保管が可能で取り回しが良いのが特長です。 ①マウスピース不要のシート設計で、凹凸を埋めるように均一に密着します。 ②唾液で希釈されにくい特殊層により有効濃度を保って作用します。 ③薬剤が口腔内へ漏れにくい安全設計になっています。 ④歯科医院でのみ取り扱える漂白剤・過酸化水素を国内最大濃度である6%配合しています。 ⑤最大2年間常温で保管ができ、携帯や管理が容易です。   どんな人が対象? 加齢による黄ばみ、外因性ステイン、軽度のフッ素症、軽症のテトラサイクリン変色(F1–F2)がある方を対象に、当院では以下に該当する人におすすめしております。 歯を白くしたいとお考えの方 お子様の矯正治療中に歯を白くしたいとお考えの保護者の方 矯正治療後の保定治療中の患者様 ※他院で矯正治療中または保定治療中の方は、始める前に必ず主治医とご相談ください。 どれくらいで白くなる? 効果が出る方は1回の使用でも実感を感じられます。最大10日の使用を目安とし、それまでの間に理想の白さになった場合、使用を一旦中止します。 効果は約3~6か月持続すると言われています。持続期間は変色の原因・程度、歯質・清掃状態、飲食習慣(着色・酸性飲料の摂取頻度)やセルフケアにより左右されます。定期的に当院で写真による比較を用いて確認することも可能です。 食べ物・飲み物の制限は? 使用直後24時間以内は、カレー・コーヒー・赤ワインなどの着色性食品や、コーラ等の酸性飲料、喫煙を控えると安全です。 色の濃い食べ物や飲み物は特に30分~1時間は控えるようにしましょう。以下にホワイトニング中のオススメ・避けてほしい飲食物を挙げておきます。 オススメの飲食物 白米 食パン ホワイトシチュー チーズ 牛乳 白ワイン など 避けてほしい飲食物 カレー ミートソース チョコレート 赤ワイン コーヒー 紅茶 など リスクや副作用はありますか? 通常のホワイトニングと同様に、一時的な疼痛・冷水痛・しみ・色むらの可能性があります。症状が出た場合は中止・連絡し、再開の是非は歯科医師の指示に従います。 また、被せ物や詰め物、インプラントは白くならずに色調不調和が残ることがあります。 禁忌症も通常のホワイトニング同様、無カタラーゼ症、妊娠・授乳期、小児、光線過敏症、気管支喘息など呼吸器疾患が挙げられます。大きなう蝕や広範囲の修復歯、重症のテトラサイクリン変色(F3–F4)、形成不全など実質欠損歯は不適です。 使用方法は? ①歯を清掃し水分を拭取します。 ②上顎・下顎の歯面にシートを貼付します。シートの長さは歯の大きさによりますが、左右とも前から数えて4~5番目の歯までになります。 ③指で軽く圧接し、歯間部は爪などで圧接して密着させます。 ④装着時間は1日1回90分使用します。所定時間後に外し、うがい・清掃します。 ※知覚過敏は発現しにくいですが、不安であればジェルパック使用前に「知覚過敏用歯磨剤」による歯磨きをしておくことをオススメします。   もしホワイトニングを当院で始めたい方は一度来院していただき、ジェルパック使用前に口腔内のクリーニングをします。 その後、ジェルパックの使用方法・注意事項のご説明を聞いていただき、自宅で使用するために必要な箱数購入して頂きます。 初診時には診察+クリーニング代合わせて5,500円がかかります。 ジェルパックは1箱5パック(5日分)で11,000円になり、当院で処方された必要な箱数ご購入して頂きます。     この記事を読んでご興味のある方は、当院HPの「無料カウンセリング予約」よりご予約をお取りください。 予約をお取りした際に、問診票の記入がございますので、来院されるまでの間に必ずご記入ください。 2025年10月3日以降のご予約になりますが、矯正治療とは関係なくホワイトニングだけでもご検討ください(もちろん矯正のご相談も大歓迎です!)。 予約通りスムーズに始められるよう現在準備しておりますので、開始までもうしばらくお待ちください。 スタッフ一同、心よりお待ちしております! ※2025.9.6追記…ホームページ内に新しくホワイトニング用のページができました!以下のリンクからぜひご覧ください👇️ https://www.van-ortho-clinic.com/treatment/whitening.html

2025.08.27

症例解説(デコボコ①)

「矯正治療をするとどれくらい変わるの?」「治療前後の比較が見たい!」 矯正治療前後で口腔内や口元がどれくらい変化するのかを知りたいという意見がありましたので、ブログという形で症例解説をしていこうと思います。 今回ご紹介するのは、30代男性の症例です。 ※院長自身が治療しましたが当院での治療ではないため、使用している装置は当院で取り扱っているものと異なります。 治療開始時 顔貌写真                   口腔内写真               年齢 30代男性 主訴(患者様のお悩み) 歯のデコボコを全体的に綺麗にしたい 診断 骨格性下顎前突傾向(骨格的な受け口傾向) 叢生(前歯部のスペース不足) 上下顎側切歯クロスバイト(部分受け口) 治療方針 上下顎第一小臼歯 計4本抜歯 使用装置 表側矯正装置 Nanceホールディングアーチ (上顎大臼歯の固定装置) 治療期間の目安:約2年半~3年(保定期間を除いた期間) 治療終了時 顔貌写真                         口腔内写真               治療結果 口元の突出感が改善 歯列のデコボコが改善 奥歯・前歯共に咬み合わせが安定 治療費(調整料含めて) 総額:約91万円 治療期間 治療開始:2021年9月 治療終了:2024年3月 動的治療期間:2年6か月   患者様は歯のデコボコが数年前より気になっており、相談の段階で抜歯矯正による治療を望まれていました。 デコボコの量、前歯の咬み合わせ、口元の突出感を全て考慮した上で抜歯本数は上下顎左右側で小臼歯1本ずつ抜歯しました。 下顎左側犬歯の捻じれが強く、ゴムで引っ張って捻じれを解こうとしましたが動きが悪くなかなか改善しませんでした。 その際、当院でも取り扱っている疼痛緩和レーザーを当てたところ次回の調整までの間に捻じれは完全に解けていました。 疼痛緩和効果に加えて歯の移動促進効果が期待できるため、レーザーのおかげで治療期間短縮に繋がったことを覚えています。 30代で男性ということもあり、骨が丈夫で固く歯の移動の妨げになっていた可能性もあります。 本人は治療後の歯並びに満足しており、治療前は控えめだった笑顔が治療後は無意識に自然な笑顔になっていました。 しかし、ブラケット装置を外して安心してしまったのか保定装置の使用を忘れることが多く、現在では後戻りしている箇所があります…。 高い治療費をかけてしっかり治療しても、保定装置の使用を怠るとせっかくの治療費が無駄になってしまいます。 当院の保定装置は固定式と着脱式の両方を使用することで、着脱式の保定装置を少しの間忘れてしまっても後戻りのリスクを軽減することができます。 これは後戻りの原因を全て患者様負担にしたくないと考えたからですが、着脱式の保定装置を全く使用していないと固定式を併用しても必ず後戻りはします。 後戻りが起こると別途装置を装着することが多く、装置代や調整料が追加でかかってしまいますので、主治医から説明された使用時間を守り、正しく保定装置を使用することを心がけましょう。

2025.08.18

子どもの矯正、開始時期は?

お子さまの歯並び、気になっていませんか? 「まだ様子を見たほうがいいのか」、「装置が大変そう」、「費用や期間も心配…」そんな保護者の不安や疑問に応える形で装置の種類、治療開始のタイミング、治療による心の変化などを院長の個人的な意見を基に解説します。 1. 矯正は何歳から始めればいい? 永久歯の萌出状況にもよりますが、6~11歳前後が第1期治療(子供の矯正)開始時期です。 この年齢は乳歯と永久歯が入り混じっている「混合歯列期」という段階です。 乳歯列期(6歳より前)から治療を始めることも可能ですが、永久歯が萌出していないと使用できる装置の範囲が狭くなるため、基本的には付け外し式の簡易的な装置の使用や舌や唇の筋肉の正しい使い方を覚えるトレーニングがメインになります。 相談に来て頂いた段階で全て永久歯が萌出している場合、第2期治療(大人の矯正)からスタートする場合もございます。 なので、相談のタイミングで第1期と第2期の移行期である場合は、すぐには装置を入れず第2期開始まで経過観察から始める場合もあります。 経過観察には、「萌出中または未萌出の永久歯の萌出位置確認」、「顎の成長」、「虫歯の有無チェック」などが含まれます。 ✔ 第1期治療だからこそできる治療とは? 乳歯と永久歯の混合歯列期にあたり、永久歯萌出のコントロールをしやすい 成長中のあごの骨をコントロールしやすく、第2期治療で非抜歯での治療が可能になることも 第2期治療前提で開始する治療とは異なり、成長に合わせた計画を立てやすい   📝POINT:「まだ永久歯が生えそろっていないから大丈夫」と思っていても、実は矯正の“ベストなタイミング”を逃すリスクがあります。 2. 子どもの矯正に使われる主な装置の特徴と注意点 矯正治療と聞くと、金属のワイヤー装置を思い浮かべる方が多いかもしれません。 ワイヤー装置以外にも顎の成長や歯の萌出位置によって追加で使用する装置があります。 🦷主な矯正装置の種類 ブラケット もっとも一般的な装置、ワイヤーで歯を動かします。 歯磨きを怠ると虫歯のリスクが上がります。 リンガルアーチ 主に「受け口」の方に使用する、上の前歯を前方に出す装置です。 歯を前方に押す際に痛みが出ることも。 拡大装置 歯のデコボコの原因である顎の狭さを改善する装置です。 装置の使用には保護者の協力が必要になることがあります。 取り外し式装置 顎の成長のコントロールや咬み合わせの改善に使用する装置です。 使用を忘れたり装置の破損があると、予定通りに進まないことも。   📝POINT:装置は1つだけではなく、複合して使用することがあり、付け外し式はご本人の協力が不可欠になります。 3. 矯正治療にかかる期間の目安と流れ 上記で説明したように、子どもの矯正は歯の萌出時期で2段階に分かれることがあります。 開始時期は年齢によりますが、第1期治療をした方は将来的に第2期治療をする必要性があることが多いです。 ただし、第1期治療を行うことで第2期治療の治療難易度や治療期間が簡略化されるケースが多いです。 ⏱治療期間の目安 第1期治療(治療期間:約1年~1年半) 顎のバランスや永久歯の萌出誘導を行います。前歯の見た目や、奥歯の咬み合わせを整えることがメインです。 第2期治療(治療期間:約1年半~2年半) 永久歯が生えそろってからの本格矯正です。基本的に上下顎全ての歯に装置を付け、全体のコントロールをします。 👇第2期治療で使用する装置の種類や特徴は、以下のリンク先に載せてあります。 当院での装置の種類について     🔀第1期治療から第2期治療までの間が長引く要因 歯の萌出時期遅延 顎の成長が長引いている(特に下顎)   📝POINT①:「早く始めれば早く終わる」わけではありませんが、適切な時期に始めることで効率の良い治療が期待できます。 📝POINT②:初診時に骨格的な受け口と診断された場合は、下顎が著しく成長する場合がございますので、成長終了(男子:18歳前後、女子:16歳前後)まで治療を開始しない可能性があります。 4. 口腔習癖を見逃さないで! 「見た目はそれほど悪くないし、大丈夫そう…」と油断していると、成長とともに歯列や咬み合わせのズレが進行することがあります。 歯列や咬み合わせのズレを誘発する習癖には以下の種類があります。 ⚠歯並びに影響する口腔習癖 指しゃぶり ⇒ 幼児期を過ぎても残存していると出っ歯、開咬(前歯で咬めていない状態)の原因になります。 舌突出癖(舌が前方に出てしまう癖) ⇒ 出っ歯、開咬の原因になります。また、矯正治療後の後戻りの原因で最も多い習癖です。 咬唇癖(下の唇を咬んでしまう癖) ⇒ 前歯のデコボコや捻じれの原因になります。 頬杖 ⇒ 下の顎が左右どちらかに曲がったり、顎関節症の原因になります。 口呼吸 ⇒ 口唇閉鎖不全(口が開いている)や乾燥により虫歯進行の原因になります。   📝POINT:出っ歯や開咬などがあり、上記の習癖が認められる場合は「様子見」ではなく「一度相談」をおすすめします。 5. 矯正で変わるのは「歯並び」だけじゃない 意外かもしれませんが、矯正治療によって変わるのは歯並びだけではありません。 多くの親御さんが気づくのは、治療を通じた子どもの「自信」の芽生えです。 👧矯正治療を終えた後の変化例 笑顔が増えた 写真を撮られることを嫌がらなくなった 姿勢や話し方が良くなった 見た目に対する自己肯定感が上がった 特に思春期に差し掛かる小学校高学年〜中学生では、外見に関する悩みが深刻化する前の対応が心の健康にも良い影響を与えます。 📝POINT:矯正は「機能改善」だけでなく、「心理的サポート」にもつながる大切な治療です。 6. まとめ 子どもの矯正は、歯並びや骨格によって始めるタイミングも装置の選び方もケースバイケースです。 ですが、正しい情報を早く得ておくことは、どの家庭にも共通する大切な第一歩です。 ✅記事のまとめ 適応年齢は6~11歳前後 装置の種類は人によって複合して使用することがある 治療期間は個人差があるが、早期対応で治療の負担が軽減することも 歯並びに影響する癖は、早めに専門の先生に診てもらうことが必要 📩悩んでいたら一度ご相談を 「うちの子、本当に矯正が必要?」「まだ早い?」など開始時期に不安と感じたら、まず一度相談することをおすすめします。 相談に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。 また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に一度質問していただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。 当院スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.08.01

部分矯正のデメリットとは?

「前歯のすき間だけ治したい」、「ちょっとだけガタガタを整えたい」、「後戻りしたところだけ治したい」 そういった声に対応できる治療法として「部分矯正(MTM)」が存在します。 短期間・低コストでできるというイメージから、最近ではテレビやSNSなどでもよく見かけるようになりました。 当院では部分矯正というプランはございません。 部分矯正にはメリットよりも、デメリットや限界が多いため、基本的に推奨していないことが理由になります。 では、部分矯正を推奨しない理由は何なのか? 「必ずしも悪いこととは限らないのでは…」と思われている方へ向けて、矯正歯科専門の視点から「部分矯正のデメリット」を中心に丁寧にご説明します。 1. 咬み合わせ全体は改善せず、仕上がりに問題があることも 部分矯正は基本的に「前歯の見た目の改善」など、限られた範囲の歯のみを動かす治療です。 そのため、奥歯の咬み合わせ(咬合)には手を加えないことが多く、全体的な咬み合わせのバランスが崩れたまま治療が終了することもあります。 仕上がりも、前歯の真ん中が合わないまま治療が終了したり、前歯が先にぶつかってきて奥歯で咬めなかったり、と審美的要因や咬合の不調和を残したままに終了することが多いです。 咬合の不調和は、将来的に歯ぎしり・食いしばり・顎関節症のリスクを高めることもあるため、当院では全顎的に治療をすることを推奨しております。 2. 対象となる症例に限りがある 部分矯正が適応となるのは、奥歯の咬み合わせに問題がなく、比較的軽度な歯並びの乱れに限られます。 部分矯正適応になるケース 前歯のみに軽度のすき間がある 前歯のみに軽度の捻転(ねじれ)がある 過去の矯正の後戻りを修正したい(基本的に前歯のみ) 部分矯正適応にならないケース 重度の叢生(ガタガタ) 重度の上顎前突(出っ歯) 重度の下顎前突(受け口) 前歯部の開咬(前歯で咬めていない状態) 骨格的なズレ(顎変形症) 基本的に奥歯にまで及ぶ全体的に大きな歯列不正、骨格的な異常がある場合は、部分矯正では根本的な改善には至りません。 3. 後戻りしやすい傾向がある 部分矯正では限られた範囲しか動かさないため、歯の安定性が低く、後戻りしやすい傾向があります。 全体矯正と比べて保定装置(リテーナー)の重要性が高いのですが、決められた時間リテーナーを使用していても後戻りのリスクが高いです。 その結果、「せっかく治したのに元に戻ってしまった」というケースも見受けられます。 4. 他の歯への影響 部分矯正により、前歯だけを並べた結果、 奥歯との接触バランスが悪くなる 歯と歯の接触点(コンタクト)が不自然になる 他の歯に負担がかかる など、一見審美的にキレイに見えても、機能面で問題が出ることがあります。その結果、歯の破折や咬耗、知覚過敏などのトラブルにつながることもあります。 5. 再治療が必要になることも… 「今はとりあえず目立つところだけ」という気持ちで部分矯正を選んでも、数年後に別の問題が発覚して、再度全体矯正が必要になることもあります。 その場合、費用や治療期間が二重にかかってしまい、最初から全体矯正をしておいた方が結果的に満足度が高かったというケースも少なくありません。 6. 舌の位置や発音など機能的な問題が残ることも 一見、前歯の見た目が整っていると満足してしまいがちですが、「見た目」と「口の中の機能」は別物です。 咬む力が一部の歯に偏る、舌の位置が不自然になる、発音に違和感が出る、など見た目以上に機能面で支障をきたすリスクがあります。 7. 医療費控除の対象外になる可能性が高い 医療費控除とは、病気やけがの治療のために支払った医療費の一部を、税金から差し引くことができる制度であり、この制度で多くの医療費を支払った人は税金の負担を軽くすることができます。 部分矯正で治療を行う場合の多くは前歯の審美の改善を目的にしているため、全顎矯正により咬み合わせ、発音、顎関節を治療するという目的の方が医療費控除が通りやすいと思います(部分矯正でも医療費控除が通ることもございます)。 医療費控除についての詳細は以下のリンク先をご参照ください。 医療費控除ってなに?(https://koujo.medicaldoc.jp/van-ortho-clinic/) まとめ 【部分矯正のデメリットまとめ】 全体の咬み合わせが整わない可能性がある 審美的な改善のみで、機能的な問題が残ることがある 動かせる歯の範囲や量に限界がある 後戻りしやすい傾向がある 将来的に全体矯正が必要になる可能性がある 根本原因の解決に至らない場合がある(例:顎のズレや骨格的問題) 対象にならないケースが多く、適応症が限られている かえって他の歯に悪影響を及ぼすリスクもある(咬合干渉など) 部分矯正だけでは歯列のバランスがとれず、かえって目立つこともある 一見安価に見えても、再治療や追加治療で結果的にコストがかさむことがある 治療期間が短いが、再治療や追加治療になると結果的に治療期間は全顎矯正と差が無くなる、もしくは全顎矯正よりも長くなることがある 審美目的だと解釈されやすく、医療費控除の対象外になる可能性がある 部分矯正は、確かに費用面や治療期間の面で魅力がある反面、「適応できる症例が限られている」、「咬合バランスや将来性に問題が残る」、「再治療の可能性がある」など、一人ひとりのお口の状況に応じた慎重な診断が不可欠です。 繰り返しになりますが、当院では基本的に部分矯正を推奨してはおりません。それでも部分矯正をご希望の患者様は、初診相談の際にまず口腔内全体を拝見し、「本当に部分矯正で解決できるのか」を診させてもらってます。 当院で部分矯正適応になる場合は、全顎矯正でのプランしかご用意がございませんので、検査後の治療計画を基に「装置代(装置の種類や装着部位による)」、「調整料(治療期間による)」により患者様ごとの治療費総額を提示することになります。 部分矯正を検討されている患者様が治療後に後悔しないよう、相談の際にはしっかり担当医と納得するまで話し合うことをオススメします。 このブログ記事も他院や当院での相談内容の参考になればと思います。 当院でのご相談に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。 また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に部分矯正についてやその他のことでも質問していただくことが可能ですので、お気軽にご利用ください。 スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.07.25

矯正治療を受けるなら一般歯科?矯正歯科専門?

矯正治療を受けるならどこが良いのか? 「一般歯科医院」と「矯正歯科専門医院」の違いとは 歯並びや噛み合わせの改善を考えたとき、「どの歯科医院で矯正治療を受ければいいのか?」と迷われる方は少なくありません。現在では多くの一般歯科医院でも矯正治療を提供しており、矯正歯科専門医院との違いがわかりにくいケースもあります。ここではそれぞれの特徴と、メリット・デメリットをご紹介いたします。 ※あくまで個人の考えに基づいたご紹介であり、矯正歯科専門医院を推奨したり一般歯科医院を否定する考えでは無いことを、記事を読む前にご理解ください。 一般歯科医院で矯正治療を受ける場合 メリット: 虫歯治療やクリーニングと一括管理が可能 → 矯正中に虫歯ができた場合も、同じ医院で対応できる安心感があります。 かかりつけの歯科医との信頼関係がある → すでに通院している医院であれば、過去の治療履歴を踏まえたうえで相談しやすいです。 通院頻度が高くないケースでは利便性が高い → 定期検診のついでに相談できるなど、気軽さが魅力です。 デメリット: 矯正専門医が常勤でないことが多い… → 外部から矯正専門医を招いて月1回診療するケースもあり、予約が取りづらいことがあります。また、矯正装置のトラブルに早急に対応できない可能性もあります。 高度な症例対応に限界があることも… → 難症例や外科的処置が必要な場合は専門医院への紹介となることもあります。 使用する装置や治療法が限られている場合がある… → 装置の種類が特定のメーカーに偏りがあるケースも見られ、選択の幅が狭い場合があります。 矯正歯科専門医院で治療を受ける場合 メリット: 矯正治療に特化した知識と技術 → 学会認定の資格など矯正歯科分野に特化した歯科医師が常勤していることが多く、難症例への対応力が高いです。 最新の装置・治療法が導入されていることが多い → 表側矯正、裏側矯正、マウスピース型矯正など、患者様のライフスタイルや要望に応じた選択肢があります。 治療に関する説明やカウンセリングが丁寧 → 矯正歯科に特化しているため、治療計画やゴール設定も明確で納得感が高まります。 デメリット: 虫歯治療や抜歯などは別の医院に依頼が必要になる… → 治療中の虫歯対応や親知らずの抜歯などは、かかりつけ医など一般歯科への紹介が必要になる場合があります。虫歯の場所によりますが、ワイヤー治療などはワイヤーや装置を一度外して治療をしてきてもらい、治療終了後にもう一度戻す手間が増えることがあります。 初診相談や検査に時間がかかることも… → 専門的な説明や検査を行う分、所要時間は一般歯科よりも多めになる傾向があります。 費用の幅が増えるため高額になることも… → 装置の選択の幅が増えるため、目立ちにくい装置は高額になることがあります。 保険でも可能?自費じゃないと治療できない? 矯正治療は通常自費診療ですが、ごく限られた条件で保険が適用される場合があります。保険適用の対象となるのは、厚生労働省が定める先天異常(唇顎口蓋裂やダウン症など)を有する方や、「顎変形症」で手術を伴う矯正治療が必要な方です。また、これらの場合でも保険適用の指定を受けた医療機関(大学病院など)での治療が条件となります。お子様でも大人の方でも、見た目の改善や軽度の歯並びの矯正では厚生労働省が定めている病名がつかず、保険が使えないため全額自己負担になります。まずは保険適用の可否を確認するために相談することがおすすめです。 ※当院では自費診療のみの対応となります。 結局どちらが良いのか? 「どちらが優れているか」というよりは、患者様の通いやすさやお口の状態に応じて選ぶことが大切です。例えば、「軽度な歯列不正で、定期検診のついでに相談したい」という方には一般歯科医院が向いているかもしれません。一方で、「しっかりと時間をかけて理想的な歯並びにしたい」、「目立たない装置を使いたい」といった希望がある方には、矯正歯科専門医院が適していると思います。 まとめ       項目 一般歯科 矯正専門歯科 虫歯治療との併用 ◎ △ 治療の専門性 △ ◎ 装置の選択肢 △(○) ◎ 通いやすさ ◎ ○ 難症例の対応 △ ◎ 矯正治療は数年以上にわたる長い付き合いになります。担当医との相性や、医院の雰囲気・説明の丁寧さ、通いやすさなども含めて、まずは一度相談してみることをおすすめします。 当院でのご相談に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。 また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に質問していただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。 スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.07.15

当院での装置の種類について

歯並びや噛み合わせを整える矯正治療には、さまざまな装置や方法があります。中でも、近年特に人気が高いのが「目立ちにくい矯正」。 しかし、「種類が多すぎて選び方がわからない」「自分にはどの方法が合っているのか不安」というお声も多くいただきます。 この記事では、当院VAN矯正歯科で取り扱っている表側矯正(ワイヤー矯正)、裏側矯正(舌側矯正)、マウスピース矯正の3種類について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。 表側矯正(ワイヤー矯正)について 表側矯正の仕組み 表側矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を装着し、それにワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていく治療方法です。もっとも古くから使われているスタンダードな方法で、幅広い症例に対応できるのが大きな魅力です。最近では、アンカースクリュー(ネジ)を併用することで、従来の治療よりも出っ歯や過蓋咬合(深い咬み合わせ)の治療が効率的に進められるようになりました。当院では、歯の色になじみやすいオールセラミックブラケットや、白くコーティングされたホワイトワイヤーも選択可能で、目立ちにくさにも配慮しています。 当院の表側矯正の特徴 表側矯正のメリット 幅広い不正咬合に対応可能(出っ歯・受け口・開咬・叢生など) 比較的費用が抑えられる 装置の安定性が高く、効率的に動かせる 表側矯正のデメリット 装置が見えるため、審美的にはやや劣る 歯磨きがしづらく、虫歯のリスクがやや高まる 装着直後は痛みや違和感を感じることがある 裏側矯正(舌側矯正)について 裏側矯正の仕組み 裏側矯正は、ブラケットやワイヤーを歯の裏側(舌側)に装着することで、外からは基本的に装置が目立ちにくいことが最大の特長です。人前に立つ機会が多い職業の方や、結婚式などのイベントを控えている方にも選ばれています。「目立ちにくい」だけではなく、実は舌癖や口呼吸の改善にも効果的とされる側面もあります。 当院では、Brava(ブラーバ)という国内でも取り扱いの少ない装置を採用しております。 Brava(ブラーバ)とは? Bravaとは、米国ベンチャー企業「Brius Technologies」が開発した新しいタイプの舌側矯正装置です。これまでのようにワイヤーで全体をつないで歯を動かすのではなく、1本1本の歯に直接、独立した力をかけて動かすという革新的なシステムを採用しています。 すべての装置が歯の裏側(舌側)に装着されるため、見た目ではほとんど矯正していることがわかりません。従来の舌側矯正では、歯の裏側にブラケットとワイヤーを固定して歯を並べていましたが、Bravaでは各歯に個別の「アクティブブラケット」を装着し、それぞれが独立して歯を動かす構造になっています。そのため、他の歯の動きに影響されず、理想的なスピードと軌道で歯が移動するという利点があります。 治療前にスキャンした3Dデータを元にAIが歯の動きと力のかかり方を設計し、そのデータをもとに、患者様一人ひとりに合わせたカスタムメイドによる装置が作られます。 当院の裏側矯正の特徴 裏側矯正(ブラーバ)のメリット 正面から装置が見えないため、審美性が非常に高い 舌癖を改善することで、歯並びが後戻りしにくい 接客業・営業職など、外見が重要な仕事の方に最適 マウスピース矯正より適応症例が多い(抜歯矯正も可) 表側矯正に比べて通院頻度が少なくて済む 裏側矯正(ブラーバ)のデメリット 一時的に発音に影響が出る(特にサ行・タ行) 歯の裏側は歯磨きが難しく、清掃性がやや低い 費用は表側矯正よりやや高め 国内で取り扱っている病院が少ない ⇒当院では取り扱っております マウスピース矯正について マウスピース矯正の仕組み 歯の表面にアタッチメントという突起を装着し、透明なマウスピースを一定期間ごとに交換しながら、少しずつ歯を動かしていく治療法です。当院では、エンジェルアライナーを採用しています。 患者様ごとにカスタムメイドで製作されたアライナーを1日20時間以上装着する必要がありますが、食事や歯磨きのときは自由に取り外しが可能です。 当院のマウスピース矯正の特徴 マウスピース矯正のメリット 透明で目立たず、ほとんど気づかれない 装置を取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすい 食事制限がほとんどない 金属アレルギーの心配がない 表側矯正に比べて通院頻度が少なくて済む マウスピース矯正のデメリット 重度の不正咬合には対応できないケースがある 装着時間の自己管理が求められる(1日20時間以上) 紛失や破損に注意が必要 飲み物に制限あり 表側矯正よりやや費用が高めになる傾向あり 装置別比較表 治療計画を作成したのち、上記の装置とは別に必要な装置があれば、組み合わせて治療をします。 当院では、「併用装置」、「任意選択」プランとして用意しております。 例えば、アンカースクリュー(ネジ)が4本必要な場合、1本につき¥22,000が別途かかるため追加費用が¥88,000になります。 また、抜歯矯正による治療を行う場合、小臼歯を上下左右で1本ずつ計4本必要になる方は、1本¥8,800のため4本で¥35,200が追加費用で必要になります。 これらは、検査後に治療計画を立案し、診断内容をお話しする際にトータルフィー(治療費総額)としてお伝えいたします。 相談の段階で併用する装置や抜歯の可能性がある場合は、あらかじめご説明させて頂いております。   矯正装置の選び方は? 矯正装置の選び方は、「見た目」「費用」「治療期間」「生活スタイル」など、さまざまな要素によって異なります。 見た目を重視する方 → 裏側矯正 or マウスピース矯正 治療期間短縮を望む方 → 表側矯正 or 裏側矯正 自己管理できる方 → マウスピース矯正 費用を抑えたい方 → 表側矯正 お口の中の状況により、全ての装置が適応にならない場合もございます。マウスピースとワイヤー矯正の組み合わせなど装置の併用プランもございますので、ライフスタイルに合った装置を選択できるよう、当院では納得いくまでご説明致します。   終わりに VAN矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医を取得している矯正専門医による無料相談を行っております。 「どの装置が向いているか知りたい」 「費用や期間を具体的に知りたい」 「見た目をできるだけ変えずに治したい」 そんなお悩みやご希望を、丁寧にお伺いし、最適な治療方法をご提案いたします。完全予約制でじっくりお話できる時間をご用意していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。 相談に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。 また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に一度質問していただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。 当院スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.07.04

疼痛緩和レーザーについて

  矯正治療において、多くの患者様が不安に感じることの一つが「治療中の痛み」です。特に矯正装置の装着直後や調整後には、歯が動く際の圧迫感や痛みが生じやすく、食事や会話などの日常生活にも支障をきたすことがあります。当院では、患者様がより快適に矯正治療を受けられるよう、疼痛緩和レーザー『LUMIX2』を導入しております。   LUMIX2(疼痛緩和レーザー)とは LUMIX2は、特殊な波長のレーザー光を患部に照射することで組織の深部にまで到達します。到達したレーザー光は細胞レベルでの新陳代謝を活性化させ、血流の改善を促し、結果として患部の治癒を早めることで痛みを抑制します。そのため、従来の疼痛緩和法に比べても即効性が高く、多くの方から高い評価をいただいております。 矯正治療で生じる痛みの主な原因は、矯正治療により歯を牽引する際に、歯根膜という歯を支える膜が圧迫され、圧迫側の歯根膜には破骨細胞が出てきます。一方、反対側の牽引側には血管の新生、線維芽細胞の増殖、基質形成が起きます。こうした変化にともない、矯正力のかかった方向からかけられた方向に少しずつ骨が改造されて、歯が動いていきます。つまり、歯を支える骨が無くなっては新しくなるを繰り返している状態が基本的な歯の動きの中で起こっています。   歯がこうした動きを行っている間、往々にして痛みが出ることがあります。反応のよい方、つまり歯の動きがよい方ほど痛みが出やすいといえます。LUMIX2によるレーザー治療は、この歯の動きの際に入れ替わる細胞や血管に照射することにより、人間が持つ本来の自然治癒能力を高め、より一層血管、神経、組織の活性・再生が向上します。これにより、痛みを大幅に軽減することが可能になると言われています。 実際のレーザー照射自体は約5~10分で完了します。施術中の痛みや熱さなどの不快感は全くありません。むしろ、多くの方は照射されている間リラックスした状態で過ごされています。基本的に術後の副作用もないです。 特に小さなお子様や痛みに敏感な方、矯正装置装着後の痛みが不安…という方には、LUMIX2のレーザー治療を強くおすすめしています。当院では、「装置装着時」、「歯の移動が大きい部位」、「歯の動きがあまり良くない部位」に照射することが多いですが、基本的に調整のタイミングで毎回照射します。 矯正治療において、痛みを放置してしまうと治療に対する不安感やストレスが増加し、治療の継続が難しくなることもあります。患者様の心身両面の負担を軽減するためにも、疼痛管理は非常に重要になります。当院ではLUMIX2の導入により、より多くの方に安心して矯正治療を継続していただける環境を提供しています。 LUMIX2は矯正治療だけでなく、口内炎の治療や抜歯後の疼痛緩和など、口腔内のさまざまなトラブルにも効果的に使用することができます。これにより、矯正治療期間中に併発しやすい口内のトラブルにも迅速に対応し、患者様が快適に治療期間を過ごせるよう全面的にサポートしています。また、顎関節症や肩こり、顔面神経麻痺なども照射部位により緩和すると言われています。   親知らず抜歯後にレーザー照射したら… 当院のスタッフも下顎の親知らずを同日に左右抜歯したので、抜歯難易度の高かった左側のみ(写真だと右側)に約10日間レーザーを照射しました(本人の希望です…)。 本人の感想だと、レーザーを照射した側が、 ・痛みが引くのが早い ・腫れが収まるのが早い とのことで、写真からも腫れの引き方が見て分かるかと思います。同日に親知らずを左右同時に抜歯するのはあまりオススメしませんが…効果は絶大です!   終わりに 矯正治療を検討しているが、治療中の痛みが心配な方はLUMIX2レーザー治療を併用した治療を視野に入れていただけると、選択の幅が増えるかと思います。 興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」から相談のご予約もお取りいただけます。また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に一度質問していただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。 当院スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。

2025.07.02