裏側矯正
目次
裏側矯正(舌側矯正・
リンガル矯正)とは?
裏側矯正の仕組みと
注目される理由
裏側矯正(別名:舌側矯正・リンガル矯正)とは、歯の表側ではなく、舌側(裏側)に矯正装置(ブラケットとワイヤー)を装着して歯並びを整える治療法です。
「歯列矯正をしたいけれど、接客業や営業職で口元を見せたくない」「成人式や結婚式などのイベントを控えており、ワイヤーが見えるのは避けたい」という方から非常に高い支持を得ています。
表側矯正・マウスピース矯正との
根本的な違い
矯正治療には大きく分けて「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
- 表側矯正(ラビアル):最も歴史があり、多くの症例に対応できますが、どうしても装置が目立ってしまいます。
- マウスピース矯正(インビザライン、エンジェルアライナーなど):透明で目立ちにくいですが、「1日20時間以上の自己管理」が必須であり、サボってしまうと計画通りに進まない、また重度のデコボコ(叢生)や抜歯が必要な症例には不向きなケースがあります。
- 裏側矯正(リンガル):「他人から見てほとんど気づかれない(目立たない)」という最大のメリットを持ちながら、ワイヤー矯正の強みである「幅広い症例(重度のデコボコや抜歯ケース)に対応できる」という、まさにいいとこ取りの治療法です。
次世代システム
『Brava(ブラーバ)』とは?
従来の裏側矯正にデメリットがあると思われている方にこそ知っていただきたいのが、アメリカ発の革新的な裏側矯正システム「Brava(ブラーバ)」です。当院は、この最先端システムをいち早く導入しています。
Bravaの画期的な
「独立移動型(ライトフォース)」テクノロジー
従来の裏側矯正や表側矯正は、すべての歯を1本の金属ワイヤーで繋いで引っ張るため、以下のステップを順を追って進める必要がありました。
- まずデコボコを並べる(レベリング)
- その後に抜歯した隙間を閉じる(リトラクト)
- 全体の咬み合わせのバランスを整える(ディテーリング)
しかし、Bravaは各歯が独立した超弾性NiTiアーム(形状記憶合金)によって繋がれています。
これにより、「デコボコを並べること」、「歯の隙間を閉じること」、「全体的な咬み合わせの微調整」を、すべての歯で同時に進めることができます。
歯の動くイメージ
Bravaは、各歯に接続された独立アームが必要な方向へピンポイントで力をかけるため、歯一本一本を効率よく動かせます。従来のワイヤー矯正のように全体を段階的に動かすのではなく、同時並行で歯並びを整えていくイメージを、以下の動画でご確認ください。
なぜBravaは「治療が早い」のか?
1本のワイヤーで歯全体を締め付ける従来の装置は、どうしても過剰な力が加わり、治療初期に強い痛みが出やすい傾向がありました。
一方、Bravaは3Dデジタルシミュレーションに基づき、「個々の歯に必要な最小限かつ最適な力(ライトフォース)」をピンポイントでかけ続けます。そのため、比較的痛みが少なく、かつ治療期間の大幅な短縮(※症例によっては従来の約半分の期間)を実現しています。
また、お口の中の状況にもよりますが、ハーフリンガル(上顎に裏側矯正装置、下顎に表側矯正装置)が適応可能になることもあります。歯の動きが上下顎で異なるため適応症は一部に限られますが、なるべく費用を抑えたい方や、舌に装置が当たることが気になる方にはおすすめです。
Brava・従来の裏側矯正・
マウスピース矯正の比較
表は左右にスワイプできます
| 比較項目 | Brava (ブラーバ) |
従来の 裏側矯正 |
マウスピース 矯正 |
|---|---|---|---|
| 見た目の 目立たなさ |
基本的に目立たない | 基本的に目立たない | 近くで見ると反射やアタッチメントがわかる |
| 痛みの少なさ | 比較的少ない (弱い力で最適に動かす) |
比較的強い (全体の締め付け感がある) |
少ない (新しいシート交換時に少し痛む) |
| 治療期間 | 短い (歯の同時移動が可能) |
平均的 (段階を追って動かす) |
症例によっては長期化しやすい |
| 通院頻度 | 少ない (2ヶ月に1回) |
多い (1ヶ月に1回) |
普通 (1〜2ヶ月に1回) |
| フロスの使用 | 可能 (歯の間が繋がっていない) |
困難 (ワイヤーが邪魔) |
取り外せば可能 |
| 自己管理の負担 | 不要 (つけっぱなしでOK) |
不要 (つけっぱなしでOK) |
極めて大きい (1日20時間以上の装着など) |
| 適応症例の広さ | 広い (抜歯・出っ歯・叢生などに対応) |
広い (抜歯・出っ歯・叢生などに対応) |
骨格的な問題や重度のデコボコには不向き |
裏側矯正(Brava)の
メリット・選ばれる理由
誰にも気づかれずに
歯並びを整えられる
Bravaは歯の裏側に完全に隠れるため、正面から口元を見られても装置が見えることはありません。接客業、モデル、CA、人前で話す機会の多いビジネスパーソンの方でも、他人の目を一切気にせず自信を持って笑顔で過ごせます。
ワイヤーなのにデンタルフロスが通せる
(虫歯リスクの軽減)
従来のワイヤー矯正の最大の弱点は「歯磨きがしにくく、虫歯になりやすい」ことでした。特に裏側矯正ではフロスを通すことがほぼ不可能でした。
しかし、Bravaは独立したアーム構造をとっているため、矯正治療中であっても歯と歯の間に普段通りデンタルフロスを通すことができます。常に清潔な口腔環境を維持できるため、矯正中の虫歯や歯周病、口臭リスクを大幅に下げられます。
自己管理の手間が一切不要
マウスピース矯正のように「食事のたびに取り外して洗う」「外したまま紛失してしまう」「装着時間が足りずに歯が動かない」といったトラブルやストレスがありません。歯科医師が固定するため、何もしなくても自動的に24時間、美しい歯並びへと誘導され続けます。
通院回数が少ない
(遠方・多忙な方にも最適)
一般的な裏側矯正は、ワイヤーの細かな調整(曲げ直し)が必要なため、月に1回の通院が必須です。
対してBravaは、AIと3Dシミュレーションによって計算し尽くされた形状記憶アームが動き続けるため、頻繁な調整が不要です。通院は約2ヶ月に1回程度で済むため、お仕事が忙しい方や、遠方から通院される方の負担を極限まで減らすことができます。
裏側矯正でよくある懸念点・
デメリットと当院の対策
裏側矯正を検討される方が、ネット検索でよく調べている「不安要素(デメリット)」について、包み隠さず解説します。
「話しにくさ」「滑舌」への影響は?
| 懸念点 | 舌が裏側の装置に当たるため、治療初期(特に「サ行」「タ行」「ラ行」など)に発音がしにくくなることがあります。Bravaは従来のブラケットに比べて、非常に薄く、丸みを帯びたなめらかな形状をしています。そのため、舌が触れたときの違和感が極めて少なく、多くの方は数日から2〜3週間程度で徐々に普段通りの発音に戻ります。 |
|---|---|
| 当院の対策 | 当院ではMFT(筋機能療法)を装置装着と同時に行うことにより、装置への順応性を早めます。MFTは自宅でできるトレーニングであり、毎日継続することで装置への順応に加えて治療終了後の歯の後戻り対策にもなります。 |
「痛み」や「装置が当たる違和感」は?
| 懸念点 | 裏側矯正は「舌に装置が当たって痛い」「口内炎ができる」と言われることがあります。 |
|---|---|
| 当院の対策 | Bravaのアームは柔軟な形状記憶合金で作られており、従来のワイヤーのような「鋭い端」がありません。万が一、初期段階で擦れて痛む場合は、歯科用ワックス(保護材)をお渡ししてカバーする方法をご案内しています。また、歯を動かす力自体が従来の裏側矯正と比較して優しいため、個人差はありますが締め付けられるような痛み自体が少ないのも特徴です。 |
「食事」での注意点や
装置の破損について
| 懸念点 | 装置に食べ物が挟まりやすい、硬いものを噛んで装置が外れてしまうのではという不安があります。 |
|---|---|
| 当院の対策 | 非常に硬いもの(煎餅やリンゴ丸かじりなど)や、極度に粘着性のあるもの(キャラメル、お餅など)は、装置が外れる原因になるため治療中は控えていただくか、小さく切って召し上がるようお願いしています。万が一装置が外れた場合も、連絡していただくことで迅速に対応可能です。 |
裏側矯正・Bravaの適応症例と
「難しいとされる症例」
当院では、患者様のお口の状態を精密に診断し、最適な治療法をご提案します。
適応できる歯並び(一例)
- 叢生(デコボコ・八重歯):歯が重なり合って生えている状態。Bravaの同時移動テクノロジーが最も得意とする分野です。
- 上顎前突(出っ歯):上の前歯が前方に突出している状態。抜歯をして前歯を内側に下げる治療にもBravaは非常に有効です。
- 空隙歯列(すきっ歯):歯と歯の間に隙間がある状態。
Bravaが適応外となるケースと、
その場合の代替案
すべての方に万能な治療法は存在しません。以下のようなケースでは、Brava単体での治療が難しい場合があります。
- 金属アレルギー:Bravaは主にニッケルの含有量が多いため、パッチテストで反応する方は使用できません。金属アレルギーがある場合は、金属フリーのセラミックブラケットやマウスピースを使用することで治療可能です。
- 著しい骨格的な問題があるケース:顎の骨自体が大きくズレている場合(外科矯正が必要な重度の受け口など)は、提携する大学病院等での外科手術を併用した表側矯正などをお勧めすることがあります。
- 重度の歯周病にかかっているケース:歯を支える骨(歯槽骨)が著しく減少している場合、まず歯周病治療を最優先します。
- 骨隆起が極めて大きいケース:下顎の内側に「骨隆起(ほねのコブ)」が発達しすぎている場合、Bravaの装置が物理的に干渉して舌のスペースを著しく狭めるため、表側矯正をお勧めすることがあります。上顎に骨隆起が無ければハーフリンガルが適応になる場合もあります。
治療の流れと費用
(トータルフィーシステム)
当院は、治療開始前にすべての費用をご提示する「トータルフィー(治療費総額制)」を採用しています。通院ごとの調整料などは一切かかりません。
従来の裏側矯正は専門性が高く、技術料として調整料が表側矯正のものよりも高く設定している医院もあります。当院の表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正の調整料は一律に設定しております。どの装置でも治療期間が短くなる見込みがある方(主に非抜歯矯正治療)は調整料を少し抑えた状態からスタートできます。
トータルフィー制度を導入
当院はトータルフィー制であり、調整料は全て含まれた費用になっております。通院ごとの追加料金はかかりません。
治療の流れ
- 初診相談(無料カウンセリング)まずは患者様のお悩みをお伺いします。裏側矯正やBravaに関する疑問、費用面の不安など、何でもお気軽にご相談ください。当院では相談時にレントゲンや口腔内写真などの資料を取らせていただくことで、具体的な治療方針やBravaが適応可能かのご説明もいたします。
- 精密検査フェイススキャン、口腔内スキャナー(iTeroなど)を用いて、精密なお口のデータや口元の状態を取得します。
- 診断レントゲンや口腔内スキャンデータをもとに、「歯がどのように動き、最終的にどう並ぶか」の3Dシミュレーション動画を一緒にご提示します。ご納得いただいた上でBravaの製造会社へシミュレーションデータを共有し、オーダーメイドで装置を製作します。
- PMTC装置装着前の徹底的なクリーニングや必要に応じて歯磨き指導を行います。
- 装置(Brava)の装着オーダーメイドで製作されたBravaを装着します。抜歯が必要な場合は、装置が到着するまでの間に行うことが多いです。
- 定期通院(約2ヶ月に1回)装置が脱離していた場合の付け直しや破損のチェック、進行具合の確認など簡単な調整やクリーニングを行います。
- 保定(治療終了後)理想の歯並びになったら装置を外し、後戻りを防ぐためのリテーナー(保定装置)を装着していただきます。
裏側矯正・Bravaに関する
よくあるご質問
従来の裏側矯正と比べて、
本当に治療期間は短くなりますか?
はい、多くの症例で期間短縮が期待できます。
従来の装置は「デコボコを並べる」「隙間を閉じる」を順番に行いますが、Bravaは3Dデジタルデータに基づいて全ての歯を同時に動かせるため、効率が非常に高く、無駄な治療期間を省くことができます。
部分矯正(前歯だけ)に
Bravaは使えますか?
原則として、Bravaは全体矯正用のシステムです。
Bravaは噛み合わせ全体のバランスを整えるために設計されているため、前歯だけの一部の部分矯正には対応していません。
Bravaをつけてスポーツや
楽器の演奏はできますか?
ほとんど制限なく行っていただけます。
表側矯正のように、転倒した際に装置で唇の裏を切るリスクが極めて低いため、サッカーやバスケットボールなどのスポーツも安全に行えます。また、トランペットなどの吹奏楽の楽器も、歯の表側に装置がないため、唇への干渉がなく演奏に影響が出にくいです。
年齢制限はありますか?
永久歯が生え揃っており、歯周組織(歯を支える骨や歯ぐき)が健康であれば、10代前半から40代、50代以上の方でも全く問題なく裏側矯正・Brava治療を受けていただけます。実際、当院でもお仕事の都合上、見えにくいBravaを選ばれる方がいらっしゃいます。




