所沢駅から徒歩1分の矯正専門医院 VAN矯正歯科

VAN矯正歯科

〒359-1123
埼玉県所沢市日吉町4-1 髙田ビル2F

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診療時間
10:00-13:00 -
15:00-19:00(月・土・日は18:00) -

休診日:毎週木曜日、第2水曜日、祝祭日
◯:日曜日と月曜日は隔週で休診日
(第1・3・5日曜日、第2・4月曜日)

2025.07.25

部分矯正のデメリットとは?

「前歯のすき間だけ治したい」、「ちょっとだけガタガタを整えたい」、「後戻りしたところだけ治したい」

そういった声に対応できる治療法として「部分矯正(MTM)」が存在します。

短期間・低コストでできるというイメージから、最近ではテレビやSNSなどでもよく見かけるようになりました。

当院では部分矯正というプランはございません。

部分矯正にはメリットよりも、デメリットや限界が多いため、基本的に推奨していないことが理由になります。

では、部分矯正を推奨しない理由は何なのか?

「必ずしも悪いこととは限らないのでは…」と思われている方へ向けて、矯正歯科専門の視点から「部分矯正のデメリット」を中心に丁寧にご説明します。

1. 咬み合わせ全体は改善せず、仕上がりに問題があることも

部分矯正は基本的に「前歯の見た目の改善」など、限られた範囲の歯のみを動かす治療です。

そのため、奥歯の咬み合わせ(咬合)には手を加えないことが多く、全体的な咬み合わせのバランスが崩れたまま治療が終了することもあります。

仕上がりも、前歯の真ん中が合わないまま治療が終了したり、前歯が先にぶつかってきて奥歯で咬めなかったり、と審美的要因咬合の不調和を残したままに終了することが多いです。

咬合の不調和は、将来的に歯ぎしり・食いしばり・顎関節症のリスクを高めることもあるため、当院では全顎的に治療をすることを推奨しております。

2. 対象となる症例に限りがある

部分矯正が適応となるのは、奥歯の咬み合わせに問題がなく、比較的軽度な歯並びの乱れに限られます。

部分矯正適応になるケース

  • 前歯のみに軽度のすき間がある
  • 前歯のみに軽度の捻転(ねじれ)がある

  • 過去の矯正の後戻りを修正したい(基本的に前歯のみ)

部分矯正適応にならないケース

  • 重度の叢生(ガタガタ)
  • 重度の上顎前突(出っ歯)

  • 重度の下顎前突(受け口)
  • 前歯部の開咬(前歯で咬めていない状態)

  • 骨格的なズレ(顎変形症)

基本的に奥歯にまで及ぶ全体的に大きな歯列不正、骨格的な異常がある場合は、部分矯正では根本的な改善には至りません。

3. 後戻りしやすい傾向がある

部分矯正では限られた範囲しか動かさないため、歯の安定性が低く、後戻りしやすい傾向があります。

全体矯正と比べて保定装置(リテーナー)の重要性が高いのですが、決められた時間リテーナーを使用していても後戻りのリスクが高いです。

その結果、「せっかく治したのに元に戻ってしまった」というケースも見受けられます。

4. 他の歯への影響

部分矯正により、前歯だけを並べた結果、

  • 奥歯との接触バランスが悪くなる

  • 歯と歯の接触点(コンタクト)が不自然になる

  • 他の歯に負担がかかる

など、一見審美的にキレイに見えても、機能面で問題が出ることがあります。その結果、歯の破折や咬耗、知覚過敏などのトラブルにつながることもあります。

5. 再治療が必要になることも…

「今はとりあえず目立つところだけ」という気持ちで部分矯正を選んでも、数年後に別の問題が発覚して、再度全体矯正が必要になることもあります。

その場合、費用や治療期間が二重にかかってしまい、最初から全体矯正をしておいた方が結果的に満足度が高かったというケースも少なくありません。

6. 舌の位置や発音など機能的な問題が残ることも

一見、前歯の見た目が整っていると満足してしまいがちですが、「見た目」と「口の中の機能」は別物です。

咬む力が一部の歯に偏る、舌の位置が不自然になる、発音に違和感が出る、など見た目以上に機能面で支障をきたすリスクがあります。

7. 医療費控除の対象外になる可能性が高い

医療費控除とは、病気やけがの治療のために支払った医療費の一部を、税金から差し引くことができる制度であり、この制度で多くの医療費を支払った人は税金の負担を軽くすることができます。

部分矯正で治療を行う場合の多くは前歯の審美の改善を目的にしているため、全顎矯正により咬み合わせ、発音、顎関節を治療するという目的の方が医療費控除が通りやすいと思います(部分矯正でも医療費控除が通ることもございます)。

医療費控除についての詳細は以下のリンク先をご参照ください。

https://koujo.medicaldoc.jp/van-ortho-clinic/

まとめ

【部分矯正のデメリットまとめ】

  • 全体の咬み合わせが整わない可能性がある

  • 審美的な改善のみで、機能的な問題が残ることがある

  • 動かせる歯の範囲や量に限界がある

  • 後戻りしやすい傾向がある

  • 将来的に全体矯正が必要になる可能性がある

  • 根本原因の解決に至らない場合がある(例:顎のズレや骨格的問題

  • 対象にならないケースが多く、適応症が限られている

  • かえって他の歯に悪影響を及ぼすリスクもある(咬合干渉など)

  • 部分矯正だけでは歯列のバランスがとれず、かえって目立つこともある

  • 一見安価に見えても、再治療や追加治療で結果的にコストがかさむことがある

  • 治療期間が短いが、再治療や追加治療になると結果的に治療期間は全顎矯正と差が無くなる、もしくは全顎矯正よりも長くなることがある
  • 審美目的だと解釈されやすく、医療費控除の対象外になる可能性がある

部分矯正は、確かに費用面や治療期間の面で魅力がある反面、「適応できる症例が限られている」、「咬合バランスや将来性に問題が残る」、「再治療の可能性がある」など、一人ひとりのお口の状況に応じた慎重な診断が不可欠です。
繰り返しになりますが、当院では基本的に部分矯正を推奨してはおりません。それでも部分矯正をご希望の患者様は、初診相談の際にまず口腔内全体を拝見し、「本当に部分矯正で解決できるのか」を診させてもらってます。
当院で部分矯正適応になる場合は、全顎矯正でのプランしかご用意がございませんので、検査後の治療計画を基に「装置代(装置の種類や装着部位による)」、「調整料(治療期間による)」により患者様ごとの治療費総額を提示することになります。
部分矯正を検討されている患者様が治療後に後悔しないよう、相談の際にはしっかり担当医と納得するまで話し合うことをオススメします。
このブログ記事も他院や当院での相談内容の参考になればと思います。

当院でのご相談に興味のある方は当院のホームページの「無料カウンセリング予約」からご予約をお取りいただけます。

また、ホームページ最下部にあるLINEのアイコンから公式LINEを登録していただき、相談前に部分矯正についてやその他のことでも質問していただくことが可能ですので、お気軽にご利用ください。

スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。