矯正治療のやり直しはできる?後戻りと再治療について
「矯正は終わったのに少し歯並びが戻ってきた」 「仕上がりが気になる」 「他院で治療したけれど相談してもいいの?」 このようなご相談は珍しくありません。 歯並びの状態によっては再治療が可能ですが、再治療に伴うリスクは大きいため、希望通りに治療が進まず、もともとの歯の位置まで完全には戻らないことがあります。 これから矯正治療を始める方も、後戻りをしてしまった方も、再治療が必要になる理由や、そもそも再治療にならないための考え方について、このブログで知って頂ければと思います。 1. 再治療とは? 再治療とは、一度矯正治療を経験した方が歯並びや噛み合わせを再度整えることです。 再治療が適応になる主な理由は次のようなものがあります。 保定不足による後戻り 咬み合わせや見た目の違和感 成長や加齢による変化 これらは早期発見により軽度の調整で済む場合もありますので、保定期間中も定期的に通っていただく必要があります。 他院で治療終了してから別の医院で再治療を行うことは可能です。 当院で行う場合は検査後に以下のリスクを考慮し、状態によっては治療できない場合や、治療ゴールを妥協せざるを得ない場合があります。 歯の移動による歯根吸収 過度なIPR(歯と歯の間を削る)による歯のダメージ 歯の過度な傾斜移動による咬み合わせの不調和 抜歯部位や抜歯本数による咬み合わせの不調和 歯周病の進行、知覚過敏、顎関節症状など矯正治療に伴う副作用が強く反応している 治療のゴールは、治療計画を立てる歯科医師により様々であり、考え方が異なるため、誰かが治療した後に再治療するということは、当院が目指している治療ゴールに近づけない可能性が高いです。 加えて、初診時〜治療終了までの経過など資料が足らないため、パズルのピースが足らないままパズルを完成させなければならないような状況になることがほとんどです。 できればもともと通われていた医院にて再治療してもらうことが資料も揃っているためおすすめなのですが、閉院や歯科医師との相性などで叶わないこともあり、他院で再治療される方は少なくありません。 他院から当院で再治療を希望する方は、「再治療初診管理料」として22,000円を相談時に頂いております。 また、治療途中で転院される方も同様に「転院引継ぎ料」として22,000円が相談時にかかります。 2. 再治療にならないために大切なこと ①歯並びの原因まで改善する(MFT) 歯並びは舌や口周囲の筋肉の影響を強く受けます。 舌で前歯を押す癖 口呼吸 飲み込み方の癖 などがあると、矯正後でも歯並びが変化することがあります。 MFT(口腔筋機能療法)は、舌の位置や筋肉の使い方を整え、歯並びが安定しやすい状態を作るトレーニングです。歯を並べるだけでなく、原因にもアプローチすることが重要です。 ②保定装置(リテーナー)をしっかり使う 矯正後の歯は元に戻ろうとするため、リテーナー装着は非常に重要です。 後戻りの多くは保定不足が原因です。治療終了後も継続的な管理が必要になります。 ③無理のない治療計画 見た目だけを優先した無理な治療は、長期的な安定を損なうことがあります。 将来的な噛み合わせや骨格とのバランスまで考えた治療計画が再治療の予防につながります。 当院では抜歯・非抜歯どちらでも治療可能な方は治療計画を比較して、ご希望に合わせて治療することができます。 なるべく歯を抜きたくないので非抜歯矯正をしたが、治療終了後に「口元の変化がないことが気になる…」となった場合、抜歯治療にて再治療をされる方もいます。 結果的に治療期間が延び、遠回りになってしまうため、納得のいく治療計画を始めに選択してもらうことが鍵になります。 当院で使用する保定装置 3. 再治療になりやすい人の特徴 次のような傾向がある場合、歯並びが変化しやすいことがあります。 保定装置(リテーナー)を指示された時間通りに使っていない リテーナーを浮いたまま使用したり、固定式のリテーナーが外れたまま放置しているなど、正しく機能していない お口ポカン(口唇閉鎖不全)や舌癖が残存しており、MFTをしていない 歯の移動が終了して装置が外れると油断してしまいがちですが、実は保定期間中が矯正治療の最重要期間でもあります。 治療にかけた費用が無駄になってしまわないよう、当院も保定に関するサポートはしっかりさせていただきます。 早期に気づけば、簡単な対応で安定させられることもありますので、保定期間中も油断せず定期的な来院を心がけてください。 4. 再治療のよくある誤解 必ずしも「再治療=失敗」ではありません。 加齢変化 生活環境の変化 治療ゴールの違い などが理由になることも多くあります。 「あの時ちゃんと使っておけば…」など過去の状況を遡っても結果は変わりません。 現状をどういう治療で変えていくかや、過去に失敗したことを繰り返さない習慣付けが大切です。 まとめ 再治療にならないよう留意することは、 後戻りしないよう保定期間も油断しないこと 定期的に来院し、主治医に確認してもらい、後戻りを未然に防ぐこと 治療開始前に長期的に安定する治療計画を選ぶこと(不安であれば比較検討や、事前に相談すること) です。 リテーナーを使用中の方や、使用を終えた方が、少しでも歯並びの変化が気になるのであれば、主治医による早めのチェックがおすすめです。 当院で治療されている方は、後戻りの可能性を少しでも減らしていけるよう、保定終了まで責任を持って最後までフォローアップ致しますので、どうぞよろしくお願い致します。
2026.03.03



